2017/04/01

遠くに佇んでいる、白い背中に見覚えがあった。 話しかけるべきなのか、立ち去るべきなのか迷っていた。 つまらない考えが、すぐに幾つか思い浮かぶ。 逡巡するとは、こういう状況を指すのだろう。 話しかけることを選んでいた。 近づいて肩を叩くと、知らな…

2017/03/22

鉱油の馴染んだ歯車が、からからと単調な音を鳴らし始めて、もう幾分か経つ。 灰色の町から、点々と漏れる明りを眺める。 随分と遠くに来てしまったらしいことに、今更ながら気付いていた。 ビルの合間に日が沈んでいくのを感じて、車のライトをハイビームに…